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レトルピアノ教室
Lettle piano room

「子供の領分」4.小さい羊飼い
本番の演奏
■中学2年、講師の演奏です。
YouTubeから聴く時は、こちらからどうぞ
小さな曲ですが、非情にデリケートで、表現の難しい曲です。
とても神経を使って弾かなければならない一曲でした。
派手な、曲よりも、こういう曲の方が、ずっと難しい。
エレクトーンの低音がなくなってしまっています。
重たい弦楽器の音だったのに、残念です。
楽譜は、オーケストラスコアを参考にアレンジしてみました。
■小さな羊飼いについて
愛娘・クロード=エマ(愛称シュウシュウ)の持ち物の中に、
真新しいボール紙製の羊飼いの人形がありました。
それを元に、ドビュッシーは、羊飼いの生活を想像し、曲をかきました。
草原の木陰で、一休みしながら、小さな羊飼いが静かに笛を吹いています。
とても柔らかく、デリケートで表情豊かなメロディーが空間に広がっていきます。
昼下がりの平和なひとときを、ぽかぽかお日さまの下で、
羊たちは草をはみ、羊飼いは仰向けに寝っ転がって
空を眺めているうちにいつしかまどろむのでした。
この曲は、「牧神の午後への前奏曲」に似た趣があります。
ドビュッシーがフルートで、このメロディーを吹かせた時、
世の中に衝撃が走りました。
「フルートにこんな低音を吹かせるなんて!」と。
そうです。
フルートは、高音でのびやかで、ひたすら美しく。
そういう、観念が根付いていました。
つまり思い込みです。
その思い込みを、ドビュッシーは、打ち砕いたのです。
ドビッシーは、クラッシックの
このような固定観念を、とても嫌っていたと思います。
それで、ロマン派ではない、印象派を貫いたのではないでしょうか。
死後もつづく、ワーグナー人気に対する対抗心もそこから来ていると、
思います。
そういった、固定観念を拭い去るのに、
トビュッシーは、木管楽器を巧みに使い、新しい世界感を導きました。
「小さい羊飼い」は、ピアノ曲ですが、
アンドレ・カプレのオーケストラアレンジで、より
「牧神の午後」に、この曲が近い事が、分かり易くなりました。
他のピアノ曲の中にも、こうした
木管の音が聴こえる曲が、存在するので、
彼の曲練習するときは、気を留めてみると、曲の雰囲気を
つかみやすくなるのではないでしょうか。
牧神の午後への前奏曲
■「子供の領分」曲目紹介
【子供の領分】・・・・・日本バージョン
1.線路は続くよどこまでも
2.「となりのトトロ」よりさんぽ
3.ねこふんじゃった
4.夏祭り
5.ポニーテールのインディアン
【子供の領分】・・・・・ドビュッシー作曲
1.グラドゥス・アド・パルナッスム博士
2.象の子守歌
3.雪は踊っている
4.小さい羊飼い
5.ゴリウォーグのケークウォーク
※今回は演奏しませんが、人形のセレナーデが、3曲目にあります。
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