2020年発表会「四季の音楽」解説
2020年発表会、4月19日 14時よりドリームシップ風のホールで、
行われる予定でしたが、コロナの影響で、中止になりました。
代わりに、動画によるウエブコンサートを行います。
今年の発表会のアンサンブルは、「四季の音楽」です。
演目は、下記になります。
★春のステージ
1.春がきた 岡野貞一
2.「春の声」Op.410 ヨハンシュトラウス二世
★夏のステージ
3.雨だれ メーヤー
4.雨だれれOp.28-15 ショパン
5.夏休み 内田勝人
6.ほたるこい わらべうた
★秋のステージ
7.村祭り 南 能衛
8.たきび 渡辺 茂
9.協奏曲第3番ヘ長調 RV 293「秋」第1楽章「小作農のダンスと歌」ビバルディ
10.「日本の四季」より 5.初秋から秋へ 中田喜直
★冬のステージ
11.雪の降る夜 瀬下健二
12.「スケートをする人々」 Op.183より ワルトトイフェル
13.雪は踊る 田中雅明
14.クリスマスメドレー
★春のステージ
15.「春の歌」Op.62-6 メンデルスゾーン
16.バイオリンソナタ第5番ヘ長調 Op.24「春」第一楽章 ベートーべン
2020年発表会「四季の音楽」解説4.雨だれOp.28-15 ショパン
★夏のステージ
ショパンの「雨だれ」は、24の前奏曲Op.28の中の一曲です。
1839年1月にマジョルカ島で完成した作品です。
マジョルカ島に行くことになったのは、結核の静養のためですが、
サロンでの演奏会で、フランツ・リストの紹介で
ジョルジュサンドという女流作家と親しくなり、
煩わしい世間から逃れ、二人で、愛の逃避行を楽しむことにしたのです。
マジョルカ島に滞在していた頃はちょうど地中海性気候の雨の多い時期で、
長く降り続く雨が「雨だれ」の誕生のきっかけになったといわれています。
しかし、曲名をつけたのは、ショパンではなく、ジョルジュサンドでした。
地中海性気候の雨の多い時期というのは、秋なので、
日本でいう秋雨的なものです。
だとしたら、季節は秋なのかもしれません。
シブリアンカザルス氏が、かつて、「ショパンを弾く」のレッスンで、
この曲の雨は、天地創造の雨だといっています。
そして、中間部の短調にかわり、
激しい雨が変わった部分は、悪魔が近づいて来る感じだと。
それは、ショパンが、たびたび悪夢を見ていたからだといっていました。
結核にかかり、死の恐怖に直面しているショパンの心情が、
ここに表れていたのでしょう。
24の前奏曲は、24曲がすべて異なる調性で書かれていますが、
これはJ.S.バッハの平均律クラヴィーア曲集に敬意を表したものといわれています。
しかし、曲の配列は異なっており、
ハ長調 - イ短調 - ト長調 - ホ短調と平行短調を間に挟みながら
5度ずつ上がっていくという順序になっています。
24の前奏曲の出版は1839年の9月になされ、
フランス版はカミーユ・プレイエルに、
ドイツ版はヨゼフ・クリストフ・ケスラーに献呈されています。
「雨だれ」については、ブログでも取り上げたことがありますので、
そちらの記事も、参考にしてください。
コロナのために出演中止となりました。
卒業生が、来て弾く予定でした。
解説⇒夏休み 内田勝人